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テニスのあい間に見つけた十のこと|井上美紀子
原題:題が決まらないと言ってつけた題 同好会に入って、もうすぐ一年。テニスコートから眺めた夕陽、頭上をかすめるような飛行機、早朝の竹やぶ、真っ赤な富士山、そして不思議な「魔球」――。テニスのあい間に目にした何気ない風景や、大学生活の中で気づいた小さな出来事を、「その一」から「その十」まで。井上美紀子さんの素直な驚きとユーモアが詰まった、昭和の学生生活が目に浮かぶような一篇です。 その一 万博コートの夕陽 同好会に入ってもう一年になろうとしますが、今日はその間、テニスのあい間に発見したこと、思ったことなど、少し書いてみたいと思います。 万博コートにて。夕陽の沈む速さについて。 それはもう、びっくりするほどの速さでした。23番コートに立って西の方を見ていたら、みるみるうちに沈んでいきました。 あれをビデオに撮って早送りにすると、きっと線香花火の最後の一粒が落ちていくみたいに見えるでしょう。 その二 庄内コートの飛行機 庄内のコートで。 同好会に入ったら当たり前のことだけど、飛行機の大きさについて。 空港で見るようなジャンボでもないし、飛行機雲を引っ張
yasunoritanaka
5月10日読了時間: 5分


最後の一日に、何を思うだろう|井上美紀子
原題:流れる時の中で もし、自分の生命があと一日しかなかったら――。残された24時間の中で、幼い頃の記憶、過ぎ去った時間、そして自分が忘れられていくことへの恐れを見つめる。朝から正午へ、夕暮れから夜へと一日が流れるにつれ、思索は「過去」と「現在」、そして未知の世界へ向かって深まっていきます。若き日に綴られた、時間と生命についての静かな一篇です。 あと一日しかないとしたら もし、自分の生命があと一日しかないとします。 自分に残された時間は、かっきり24時間。 一体この一日、どう過ごすのでしょうか。 鳥のさえずりと共に目覚めた私は、はっきりと一日の始まりを認識する。 目覚めというものは、もう再び自分にはやって来ない。 今度眠りにつく時、それは永遠のものとなり、今しがたまで自分がその中にいた暗闇が、ずっと続くのだ。 忘れられていくこと この限りない暗闇の中に落ちていくことは、きっとこわくない。 ただ、今日まで自分の回りにいた人々が、私の愛した人々が、そして、私を溺愛してくれた人でさえも、いつか私のことを忘れてしまう時が必ずやって来る。 私は、それが一番
yasunoritanaka
4月22日読了時間: 4分
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