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有機化学とテニスの間で揺れる春|山田 康子
原題:有機化学とテニスと… 有機化学の試験を目前に控えた薬学部生の頭の中は、化学式だけではいっぱいになりません。試験勉強の合間には、料理教室のこと、専門課程への不安、女性としての将来、そして何よりも大好きなテニスへの思いが次々と巡ります。勉強に追われる理系学生ならではの日常と、テニスを心の支えに過ごした青春の日々が、軽快でユーモラスな語り口で綴られた一編です。昭和の学生らしい率直な感情が、今なお生き生きと伝わってきます。 試験前夜、頭の中は大混線 明日は有機化学と物理化学の試験。どちらも必修専門科目で、先生はオニ。 3.5キロもある有機化学の本を机の上にどんと広げ、黄色やピンクや赤、青ときれいに塗り絵をする。 「このページはちょっと黄色を使いすぎたかな。次からはピンクをもっと使って……」 それにしても、この「メンチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド」というのは固体なのかしら、液体なのかしら。いや、ひょっとして気体ってことも……。 こんなの食べたらきっとまずいんだろうなあ。 どっちにしても今日は徹夜なんだから、あせらずゆっくりやろう。...
yasunoritanaka
6月30日読了時間: 4分


「ふれあい」が同好会をつくる|山田 康子
原題:「ふれあい」する心 流行歌「ふれあい」に心を動かされた筆者は、その歌に込められた思いを、大阪大学テニス同好会の日常へと重ね合わせます。学年が上がるにつれて少しずつ変わっていく同好会の雰囲気、後輩たちとの距離、そして寂しさ。それでも「ふれあい」は、自分たちから生み出せるものだと語りかけます。世代を超えて仲間とつながることの大切さを、温かなユーモアを交えながら綴った一編です。 「ふれあい」という歌に思うこと 皆さん、中村雅俊の「ふれあい」という歌をご存じですか。 そう、一、二か月ほど前に爆発的に流行っていたあの歌です。 (歌詞は著作権保護のため省略します。) 私が最初にこの歌を聞いたときには、ただ、ちょっと憧れている中村雅俊の歌だということで興味を持っただけでした。 でも、二、三度聞くうちに、どこにでもあるような歌だけれど、だからこそ誰もがおきざりにしかけていた大切なことを歌っているのではないか、と思い始めたのです。 トーメンのコートが好きだった理由 大学というところが何となくすさんで見えるのも、いろんな意味での「ふれあい」が欠けているからなの
yasunoritanaka
6月1日読了時間: 3分
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