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「こうだ」と言えることはあるだろうか|今井 正幸
原題:「この頃思うことの一つ」 「書こうと思えばいくらでもある」と気軽に引き受けたものの、いざ書こうとすると何も書くことがない――。そんな率直な戸惑いから始まる短い随筆です。結婚式で耳にした祝辞をきっかけに、「人は本当に『こうだ』と言い切れるものなのだろうか」と自問する筆者。飾らない言葉の中に、社会人となって間もない頃の謙虚な人生観がにじむ一篇です。 軽く引き受けたものの いつでしたか大学で偶然山代君とお会いして、この企画を聞き、いつもの軽い返事で、 「うん、いいよ。」 「書こうと思えば、いくらでもあるから……。」 などと言ってしまいました。 しかし私の場合、どうも人に顧まれたりすると、必ずといっていいほど、 「うん、いいよ。」 と言ってしまい、いつも深く反省しています。 できないことは、はっきりと 「できません。」 と言える人間にならなくては、と思うのですが。 人に書くようなことは何もない 別によく考えなくとも、人に書くようなことは何もないというのが事実です。 この二月初め、気分転換も兼ねて従姉妹の結婚式のため東京へ行きました。...
yasunoritanaka
6月19日読了時間: 2分


テニスだけは理想を語れる|荒木 健一
原題:テニスを通して 「テニスとは何か」と問われても、深く考えたことはない。ただ、気がつけば好きになっていた。それだけのこと。しかし、就職を目前に控えた学生生活の終わりに立つと、社会への戸惑いや、大人たちへの違和感、将来への複雑な思いが浮かび上がってきます。そんな中でも、唯一まっすぐ理想を語れる場所がテニスだった――。短い文章ながら、卒業を迎える学生の心情が率直に綴られています。 テニスとは何だろう おれにとってテニスとは何ぞや。 ひょっとすると、これは大問題ではないか。 しかし、おれはこれについて考えたこともないし、その必要性も感じたことはない。 ましてや、これを深刻に考え、更に理論的・哲学的考察を加えることなど、ノミのヘソを探すようなものであり、歯車減速機の設計計算以上にしんどいことである。 ただ言えることは、おれが生まれる前からテニスは存在し、ひょんなことでテニスと出会い、このスポーツを好きになってしまったということだ。 それ以外の何物でもない。 もっとも、その結果としていろいろなことがあったのは事実であるが。 社会人になるということ...
yasunoritanaka
6月17日読了時間: 2分
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