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「ぬるま湯」こそ同好会の本質である|蔵田哲之
原題:同好会を斬る PART XXX 四回生になり、庄内が遠く感じられるようになった「おじん」が、去りゆく前にもう一度、同好会を斬る。酒席での珍事件から始まり、話はやがて同好会独特の「ぬるま湯」体質へ。熱い湯とぬるま湯を一年周期で行き来し、「言いたい放題」の中で人が育っていく――。散々なことを言いながら、最後にはこの伝統を残してほしいと願う、蔵田哲之さん流の愛情あふれる同好会論です。 おじんになるのは、もうすぐだ 同好会に入会したのも、今は昔のことになり、最近では庄内も遠くなりました。 練習に行くたびに知らない顔が増え、それになんといっても、あの炎天下でテニスをするのはしんどく、夕方の涼しい時にのみ頑張るようになってしまいました。 ああ、なんとおじんになってしまったことか。 一年や二年の人たちは思っていることでしょう。四年生を見て、 「あっ、おじんや! もう就職していくおじんや!!」 僕は君たちに一言いいたい。 笑うな!! おじんになるのは、もうすぐだ。 さて、おじんはもうすぐ去っていくわけですが、人間なにごとも最後が肝心で、どうやってフィナーレ
yasunoritanaka
4月20日読了時間: 7分


恋を知らないプーさんの、長い冬|蔵田哲之
原題:クマのプーさん ―大人のためのメルヘン― 恋を知らない16才のクマのプーさんは、冬眠のあいだにウォークマンを聴き続け、春になったら「みなみのかぜにのってはしるような恋」をしようと思い立ちます。やがて出会ったのは、かわいいクマのアイちゃん。ぎこちなく始まった恋は、プーさんを有頂天にし、やがて冬の備えさえ忘れさせてゆきます。可笑しくて、少し切なく、最後には静かな余韻を残す「大人のためのメルヘン」です。 恋を知らない16才のプーさん 今年も暗くて長い冬が来ました。 夏の間にクマのプーさんはいっしょうけんめいに働いて、食べ物をねぐらの中にたくさんたくわえていました。 プーさんは音楽が好きで、特にセイコとトシちゃんがお気に入りです。夏に働いているときでも、合い間に音楽をききながら、 「アー、わたっしの一こーいーはー……」 とうたうのが唯一の楽しみでした。 だけどプーさんは、幼稚園の子がうたっているのと同じで、うたの意味を知りませんでした。 そう、プーさんは恋をしらない、恋に恋する16才の男の子なのです。 去年までのプーさんは、冬眠の間いつもねていて、
yasunoritanaka
4月13日読了時間: 7分
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