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小さな心が運んでくれるもの|西川 恵子
原題:無題 木の葉のように震え、今にも飛んでいってしまいそうな「ちっちゃな心」。そんな繊細な心を大切に抱きしめながら、いつか訪れる幸せな恋を静かに願う詩です。後半には、高校時代の友人が作詩したという映画『個人教授』をイメージした「愛のレッスン」が添えられています。青春の揺れる感情と優しさが伝わる、小さな詩集のような一篇です。 ちっちゃな心 ふるえてしまう。木の葉のようにちっちゃな心。 とんでいってしまう。大きな息をしのいで、そんなちっちゃな心。 ガラスの箱に入れましょう。 ビーズ玉のように。 気をつけて。 板のつぎ目に落ちてしまう。 そんなちっちゃな心。 ああ、だけど大切なんです。 私には何より大切なんです。 いつか私にも、幸福な恋ができるなら、 このちっちゃな心が、 きっと、きっと運んできてくれるに違いないのですから。 おまけ 映画『個人教授』より「愛のレッスン」 あなたは 私に 愛することの 楽しさと苦しみを教えてくれた。 だから今私は あなたの目の前から さようならも言わずに消えてゆく。 愛しているから あなたの心が 私のことのように 何で
yasunoritanaka
6月20日読了時間: 2分


心に広がる小さな波紋|辻本 昌容
原題:我が愛の詩集「心の泉」より 好きという気持ち、幸福な瞬間、会えない時間、夜空を見上げる想い――。学生時代だからこそ素直に綴ることのできた恋心が、短い言葉の中に込められています。一篇ごとは小さな詩ですが、読み進めるうちに、一人の青年の恋の移ろいが見えてきます。最後には、筆者が「大好きなミヨちゃん」の作品として紹介する可愛らしい詩も添えられた、青春の詩集です。 一 心の泉 君の投げた小さな石で ぼくの心の泉にできた 小さな波紋は どんどん大きくなって 泉いっぱいに広がったよ 二 いたずら好きの君 好きなんだ とっても。 でも、だめなんだ、ぼく。 君の心がわからない。 ぼくがこんなに想っているのに…… いたずら好きの君。 三 幸福 悲しい日なんて 世の中から 消えてしまえ。 ぼくは今、 幸福だ。 四 心は君のもの 今、ぼくは 君のことを考えています。 きっと君も ぼくのことを 考えてるだろうね。 だって ぼくの心は 君のものだし、 君の心は ぼくのものさ。 五 夜空の星 あの星は 君も見てるよね。 あのキラキラ輝くのが ぼくの星。 その横で かわ
yasunoritanaka
6月18日読了時間: 2分


黄昏のテニスコートが運んでくれた記憶|八代 和子
原題:自然を愛しそしてもちろん同好会を愛する人たちに贈る 「原稿を書いて」と頼まれたことから生まれた一編の詩。初めて練習した富士フィルムのテニスコートで見た夕暮れの風景が、幼い頃の記憶や自然への思いを静かによみがえらせます。黄昏の光、木々のざわめき、小鳥の声――。時間の流れがゆるやかになるひとときを、繊細な感性で描いた散文詩です。同好会で過ごした夏の日々への感謝も込められています。 原稿を書くことになって 今日、6月12日、図書館で小寺さんに会ったのが運のつき。 聞くと前田さんが先日、原稿を提出したとのこと。 物理学実験のレポートをやっと書き上げ、平和な生活を営んでいた私に、大きな悩み事が舞い込んでまいりました。 提出期限は、明日あるいは明後日。 といっても、人前に出せる文章のたくわえがあるはずもなく、レポートのようにデッドコピーができるはずもなく、しかたがないので、練習から飛んで帰って机に向かって書き始めたのが、つぎの詩です。 富士フィルムのテニスコートでの私にとっての初練習――。 西に沈みゆく夕日と、コートに映った長い影。 これらが今、私の心
yasunoritanaka
6月3日読了時間: 3分
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