厳しくやるから、テニスもスキーも面白い|鈴木浩助
原題:副会長を終えて
副会長を終えた鈴木浩助さんが、一年の回顧も、真面目になった話も、性格が変わった話も他の幹部に譲り、行き着いたのはテニスとスキーの話。技術を伸ばすには、どちらもある程度の厳しさと練習量が必要だと語る一方で、春合宿前のスキーの危険や、仲間の珍発言「ウェンデルン」まで話は広がります。真面目なスポーツ論と内輪ネタが同居する、肩の力の抜けた一篇です。
何を書こうか
この一年を振り返って見ると……。
という文章を書こうと思ったが、考えてみると、こういう文章は前会長の書くものである。
だから、そちらは木村氏に任せることにして、他のものを書こうと思う。
最近、ぼくは非常に真面目になり、講義をサボッたことなどなく、予習・復習も欠かさずしています。
そうなんです……。
というような逆説的文章を書こうとも思ったが、また考えてみると、このような文章は前マネージャー池山氏の得意とするものである。
だから、これも池山氏に任せることにして、他のものを書こうと思う。
幹部を終えて思うことは、性格が変わったことである……。
というような性格変貌的文章も、前会計の得意とする文章である。
これまた北畠氏に任せるとして、他のものを書こうと思う。
しかし、何を書いたらよいのだろうか。
テニスのことについてでも書こうかな……。
そうだ、そうしよう。
テニスブームの中で
そう言えば、最近はテニスブームで、到る処でラケットを持った人をよく見かける。
阪大にもテニスのサークルが増え、中には「プロ養成」などという誇大広告も甚だしく、JAROへ電話してもよさそうなポスターを貼っているサークルもある。

しかし、この類のサークル、他大学にも山ほどあると思うが、いわゆる、お遊びのテニスをしているサークルへ入ったとしても、友人はできるかもしれないが、テニスの技術は決して向上しないと思う。
初心者はなおさらである。
テニスの技術を向上させるためには、ある程度の厳しさが必要であると思う。
チャラチャラボールを打って楽しんでいるだけでは、だめであると思う。
テニスは見た目ほど簡単ではない
なぜなら、テニスというスポーツは、一見うまい人がプレーしているのを見ていると簡単そうに見えるが、実際、自分でボールを打ってみると分かるように難しいからである。
ラケットという道具を使って、あらゆる角度、あらゆるスピード、あらゆる回転のボールを自由に打ち分け、相手のコートへ入れるということは至難の技である。
まして、野球のように、自分は止まっていてストライクゾーンへ入ってくるボールを打つならいざ知らず、自分からボールの来る所まで走って行って、自分からストライクゾーンにボールを入れるようにして打たなければならないのである。
このような難しいことを克服するためには、向上心を持って、ある程度厳しく練習するしかないと思う。
また、練習量も必要であると思う。
週一回練習していても、技術は向上しないと言える。
その点、我がテニス同好会は、これらを満たしてくれると思う。
練習は阪大内の他のサークルに比べると厳しい方であるし、もちろん体育会には及ばないが、練習量も本人の心がけ次第で最高週4回はできると思う。
それゆえ、テニスの技術を向上させたいと思うならば、できるはずである。
次はスキーの話
さて、テニスの話は続けていると切りがないので、やめることにして、次にスキーのことについて書きたいと思う。
そう、スキーはテニスと同様、大学生に非常に人気のあるスポーツである。
テニスとスキーは、大学生の必須科目であるとさえ言われる。
確かにスキーは、一度やると、それに取り付かれてしまったかのように夢中になってしまうスポーツである。

スキーの魅力は、スピードとスリルであると思う。
ぼくもその魅力に取り付かれて、遂に滑走日数が三十日を越えてしまったほどである。
しかし、スキー技術もテニスと同様、ある程度厳しく練習しないと向上しないと思う。
スキーも、見た目より実際は相当難しいと思う。
春合宿前のスキーは要注意
ところで、スキーをする上で注意しなければならないのは、ねんざ・骨折である。
特に春合宿前にスキーをする時は、用心が必要である。
さもないと、T・Kのようにねんざをして、春合宿に参加できなくなるはめになる。
T・Kは、それ以来、春合宿前にスキーへ誘っても行こうとはしないのである。
また、スキーへ行って注意しなければならないのは、一緒に行く友人の性格変貌である。
かのりりしさで有名なM・Mは、要注意人物の一人である。
彼はスキーへ行くと、必ず変態になるのである。
詳しいことを知りたい人は、ぼくの所まで電話してクラハイ。
「ウェーデルン」か「ウェンデルン」か
それから注意しなければならないのは、スキーの専門用語である。
スキーの専門用語は英語又は独語であるが、それの一つに「ウェーデルン」という専門用語がある。
「ウェーデルン」は、スキー技術の中でも高級のテクニックを示す言葉である。
自分はこれができると言えば、その人はスキーに関して一目置かれることになる。
ぼくが、かのパープリンで有名なY・Tとスキーに行った時の話であるが、彼はスキーを終えて部屋に帰って来たとたん、
「ウェンデルンができるようになった」
と誇らしげに言ったのである。

ぼくは一瞬、空白になってしまった。
すぐ後に分かったことであるが、「ウェンデルン」とは、あの「ウェーデルン」のことだったのである。
専門用語は正確に使いたいものである。
彼はその間違いを指摘された後でも、他の人に対して「ウェンデルン」と言っていたようである。
ひょっとしたら、今でもそう言っているのではないだろうか。
冬はやっぱりスキー
いろいろ書いたが、冬はやっぱりスキーが一番である。
冬休み・春休み――春合宿を除いて――は、スキーへ行こう。
何か良い事があるかもしれないし。





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