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テニスのあい間に見つけた十のこと|井上美紀子
原題:題が決まらないと言ってつけた題 同好会に入って、もうすぐ一年。テニスコートから眺めた夕陽、頭上をかすめるような飛行機、早朝の竹やぶ、真っ赤な富士山、そして不思議な「魔球」――。テニスのあい間に目にした何気ない風景や、大学生活の中で気づいた小さな出来事を、「その一」から「その十」まで。井上美紀子さんの素直な驚きとユーモアが詰まった、昭和の学生生活が目に浮かぶような一篇です。 その一 万博コートの夕陽 同好会に入ってもう一年になろうとしますが、今日はその間、テニスのあい間に発見したこと、思ったことなど、少し書いてみたいと思います。 万博コートにて。夕陽の沈む速さについて。 それはもう、びっくりするほどの速さでした。23番コートに立って西の方を見ていたら、みるみるうちに沈んでいきました。 あれをビデオに撮って早送りにすると、きっと線香花火の最後の一粒が落ちていくみたいに見えるでしょう。 その二 庄内コートの飛行機 庄内のコートで。 同好会に入ったら当たり前のことだけど、飛行機の大きさについて。 空港で見るようなジャンボでもないし、飛行機雲を引っ張
yasunoritanaka
5月10日読了時間: 5分


「シビアな田中君」と呼ばれた一年|田中康宣
原題:会長としての一年間をふり返って 一回生の冬、「会長にならされるぞ」といううわさは、春合宿で現実になった。新入生の勧誘、万博のコート取り、練習メニュー作り、各種大会、そして夏合宿――。次々と押し寄せる行事の中で、「シビアな田中君」と呼ばれながら同好会を率いた一年間。昭和54年度の活動を振り返るとともに、幽霊会員や早朝のコート取りなど、当時の同好会が抱えていた問題にも率直に触れた、若き会長の一年の記録です。 たよりない会長のはじまり 一回生の冬頃に、「会長にならされるぞ」といううわさを耳にしたのですが、その通りに春合宿で会長に選ばれてしまいました。 最初にやったのが会長のあいさつなのですが、これがなんと、今年卒業された木村さんに考えてもらったという、なんともはや、たよりない会長のはじまりでした。 春合宿から帰ってくると、やることはたんまり。新入生の勧誘や、万博のコート取り。練習ではメニュー作りをしなければならないし、本当にいそがしい毎日でした。 「シビアな田中君」 アッという間に5月になり、万博で強化練習が行われました。その頃からでしょうか、「
yasunoritanaka
5月6日読了時間: 5分


90万円を抱えた「あちき」の一年|小谷真一
原題:余談 「経済学部だから会計をさせればよいだろう」――そんな理由だったかどうかはさておき、思いがけず同好会の会計に選ばれてしまった小谷真一さん。90万円という大金を預かり、会費の催促に電話をかけ、合宿やバス代の支払いに一喜一憂する日々。それでも一年を終えて振り返れば、幹部仲間との練習、麻雀、飲み会まで含めて、なかなか面白い一年だったようです。「あちき」節全開で綴られた、少し変わった会計回顧録です。 まさか、あちきが会計に 一年の春合宿の時、昭和54年度の幹部選出が行われたわけですが、まさか僕が会計に選ばれるとは思ってもみませんでした。 一年の時、練習にそんなに行っていなかったし、人一倍おとなしい僕としては、あまり目立つことなく、四年まで、まあ忘れられないように頑張ってテニスを続けようと思っていました。 ところが、ところが、春合宿の時に来ていた一年の中で、経済学部はあちき一人だったのです。 経済学部だから会計をさせればよいだろう。 ――というようなものじゃありませんよ、皆さん。 経済学部といっても名ばかりで、経済の「ケ」の字も知らないあちき(今
yasunoritanaka
5月4日読了時間: 4分


170万円を触ったら、少しせこくなりました|北畠岩夫
原題:会計になって 春合宿で、みなさんの「厚い(?)信頼」を得て会計になってから3ヶ月。練習への参加は増え、大金を持ち歩く機会も増え、急な出費にも動じなくなった――その一方で、コート代がもったいなく感じたり、夜道で暗殺を心配したり、なぜかむだ使いが増えたり。北畠岩夫さんが、会計になって「よかったこと」と「悪かったこと」を正直に並べた、昭和の同好会誌らしいユーモラスな一篇です。 会計になって、はや3ヶ月 春合宿で、みなさんの厚い(?)信頼を得て会計を任されて以来、はや3ヶ月たち、その間に感じたことなどを少し書いてみます。 会計になってよかったこと その一 幹部として当然のこととは思うのですが、練習に非常によく参加するようになりました。 (幹部の中にも週一回しか練習に来ない人もいるが) というのは、昨年は平均すると週一回ほどしか練習に来なかったのに、今年は月・水・木・土とフルに参加するようになりました。 (経済学部だから当然や、という声もあるが、経済学部の人でも練習にあまり来ない人はいます) ただ、そのわりにテニスはあまり上達してないような気がします
yasunoritanaka
4月27日読了時間: 3分


会計になって、僕の人生は変わった|北畠岩夫
原題:㊙会計報告 一年の春合宿で、かねてより希望していた会計に就任した北畠岩夫さん。それを境に学校からは遠ざかり、性格は「せこくせこくケチ」に変わっていったという。ニューボールを惜しみ、入会金を催促し、コート代にも目を光らせた結果、次期繰越金は3年ぶりの90万円台へ。しかし、会計を辞めても生活は元に戻らない。「おれのアカデミックなキャンパスライフはどこへ行ったんや?」――笑いの中に当時の同好会生活がのぞく、愉快な会計報告です。 学校へは、メシを食べに行く 一年の春合宿の時、かねてより希望していた会計になり、僕の人生は変わった。 普段の生活では、学校と遠ざかっていき、たまに授業に出れば、みんなは僕をめずらしそうに見る。 なんだ、その目は! 大学に入学したばかりのころは、東洋文学の講義にも出たんだぞ。しかし、それも遠い過去のこととなり、学校へはメシを食べに行ったようなものであった。 会計は人をケチにする? 一方、性格もせこくせこく、ケチな人間になっていった。 むだな金を使うな。ニューボールをあまり使うな。入会金はすぐ払え。万博コートの面数はほどほどに
yasunoritanaka
4月16日読了時間: 2分


万博70人、庄内10人――幹部になって見えてきたこと|中筋智明
原題:同好会の現状報告 強化練習を終えてほっとしたのも束の間、『Try Again』の原稿を頼まれてしまった中筋智明さん。幹部になって2ヶ月、気になり始めたのは、万博と庄内の練習人数の差、熾烈になる土曜日のコート取り、新入会員のこと、そして夏合宿に向けた同好会の活気でした。北千里の始発に乗っても遅い番号札しか取れない――。テニスブームのただ中にあった同好会の姿を、二回生幹部の目から伝える現状報告です。 原稿を頼まれてしまった「不幸」 強化練習が終ってほっと一息ついたころ、庄内のコートで、中井さんと国塚さんから『Try Again』の原稿を書いてと言われ、一息ついた息をまた吸ったような気分になりました。 というのは、『Try Again』の原稿を書くのは会長だけだと思っていたためにおこった不幸でした。 それからというもの、寝ては夢に見、起きては幻となって、文才などまったくない僕を日夜苦しめたものです。 苦しめるだけ苦しめて、日が少なくなってもいっこうに何について書いたらいいのやらまったくわからないまま、残り2日となり、やっとペンをとりあげて、とりと
yasunoritanaka
4月11日読了時間: 5分


夜明け前のコート取りがくれたもの|国塚ゆかり
原題:夜明け前 まだ星の残る早朝、眠い目をこすりながら下宿を抜け出し、二週間に一度のコート取りへ。野良犬に怯え、始発電車に揺られ、やがて友人の車に便乗するようになっても、早朝ならではの小さな事件は尽きませんでした。決して楽ではなかったコート取り。しかし振り返れば、それは自分が同好会の一員であることを実感し、仲間とのつながりを深める時間でもありました。国塚ゆかりさんが綴る、夜明け前の青春の記憶です。 二週間に一度の土曜日 ジリリリリリリ……。 眠い眼をこすりながら、あわてて目覚ましのベルを止める。 あと5分。 そう思いながら布団を頭までかぶる。 ハッと気がつくと、時計の針はいつのまにか15分程進んでいる。 いけない、遅れる! あわてて起き上がると、昨晩枕元にたたんでおいた洋服に袖を通す。 何となくまだ体の一部分が眠っている感じ。頭もまだ鈍い。 あれ? ボタンが余ってる。ヤダナア。一番最初からズレてる。 歯磨いて顔も洗わなくっちゃ。朝御飯食べてる暇なさそうだなあ。いくら何でも化粧水ぐらいつけとかなきゃ。 アレ、もうこんな時間、たいへん!...
yasunoritanaka
4月10日読了時間: 9分
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