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紫陽花とカエルと、吹田キャンパスの毛虫|松井香澄

yasunoritanaka
4月26日
読了時間: 5分

原題:雨の日のひとり言

じめじめ、むしむしの梅雨の日。青空と入道雲を待ちわびながら、ふと目にした紫陽花から、聞こえなくなったカエルの声、中学生時代の解剖実験、そして授業中の毛虫騒動へ――。松井香澄さんの「ひとり言」は、思いつくままに軽やかに広がっていきます。自然の変化への小さな気づきと、吹田キャンパスでの愉快な日常が、瑞々しい感覚で綴られた一篇です。

梅雨は好きじゃないけれど


今日はやけにむし暑い。

天気予報では、今年最高の気温だとか。

おまけに梅雨で、じめじめ、むしむし。

梅雨の窓辺で色とりどりの紫陽花を眺めながら夏を待つ女子大学生

不快指数はきっと高いことだろう。

早く梅雨があければいいのに。

あの、どこまでも青く、入道雲のある夏の空が恋しい。

梅雨はあんまり好きじゃないけど、梅雨がなければお米もとれないし、かえるも死んじゃうし、紫陽花も咲かないし……。

紫陽花は「移り気」なのか


アジサイは紫陽花と書くけど、紫の太陽のような花という意味かな。

でも紫陽花は、ピンクになったり、白くなったり、黄色くなったり、文字どおり紫になったり。

色が微妙に変わっていく。

紫陽花の花ことばは、たしか「移り気」だったっけ。

でも、

「相手の人に自分の色を一生懸命あわそうとしているとも考えられる」

って、誰かが言ってたっけ。

なるほどなあ、とも思う。

聞こえなくなったカエルの声


梅雨なのに、近頃、かえるの鳴き声をすっかり聞かなくなりました。

つい3年ほど前までは、この近くに田んぼがたくさんあって、いつも梅雨の季節になると、かえるの大合唱だったのに。

田んぼでカエルを怖がる姉に代わって懸命に捕まえようとする幼い弟

この近くにも、ずいぶん家やマンションが建ったものです。

そういえば、

「かえるの声を聞かないなあ」

と気づいたのは、今日がはじめてでは。

いつのまに、こんなに感覚がにぶくなってしまったのでしょう。

年のせいかな?

文明化とともに季節の感覚がうすれ、年をとるとともに、だんだんいろいろなことを発見したり、感動したりすることが少なくなっていくのかもしれません。

悲しいことです。

私はまだまだ若いけど、もし40、50才になった時でも、周囲のことに敏感なる犬の嗅覚は、持っていたいものです。

カエルの解剖と、6才の弟


そういえば、私達が中学生の頃、梅雨の季節になるとかえるの解剖の実験があって、一人1〜2匹のかえるをつかまえてくることが宿題となったものです。

私は、とにかくぬるぬるしたものは大の苦手。

かえるはもちろん、蛇、トカゲ、ゴキブリ、クモ、それからついでに、毛虫、ミミズ、ゲジゲジ、etc。

(だから、私の旦那様は、少なくともゴキブリをつかまえてくれる人でなければならないのです。)

で、この宿題を私はどうしたかというと、弟――当時6才――にとってもらったのです。

2人で田んぼに行き、私は、

「ほら、あそこにいる」

「ほら、こっち」

と横でわめき、声で励ますのみ。わが弟君が悪戦苦闘して、つかまえてくれるのです。

もちろん、学校での解剖には、私はノータッチ。

「私、見る人。」

なのです。

でも、最近の中学生は、かえるを買ってきて解剖するそうな。

工学部の方々、自然を破壊しない方法を考えてほしい。

授業中の毛虫事件


毛虫で思い出したけど、このあいだの授業中の出来事を少しお話しましょうか。

授業は3時間目の行動発達学の時間。私は友達と3人で並んで座っておりました。

私がまん中に座り、左にHさん、右にKさん。

と、突然Hさんが、

講義中にブラウスについた毛虫に驚く女子学生たちと唖然とする先生

「やっ、カズミ、毛虫!」

と叫ぶのです。

私はびっくりしてブラウスを見ると、えりの少し下を、なんと毛虫がゆうゆうと散歩しているではありませんか。

「キャー! 取ってー。」

と私は叫びましたが、Hさんは逃げるばかり。

(冷たいのだ!)

その時、Kさんが鉛筆で毛虫をはじきとばしてくれました。

これで一件落着。前で先生は、唖然として見ておられました。

私はようやく落ち着き、Hさんに、

「あの毛虫、どこへいったんやろね」

と話しかけると、なんと、毛虫は私達の足もとに向かって全速力で迫ってくるのです。

またまた私とHさんは、

「ギャー!」

と立ち上がりました。たまりかねて先生が、

「男の人、とってあげなさい」

と言ってくださって、ようやく毛虫事件は終わったのです。

「キャー」は助けてもらいたいから?


この日、先生は、はじめて出席をとりはったのですが、私は恥ずかしくて返事もできませんでした。

(というのはウソで、下を向いて返事をしました。)

でも、このあと腹の立つことに先生は、

「普通、女の人が恐いものを見てキャーというのは、男の人に助けてもらいたいという心理があるからだ。もし、一人で部屋にいるとき、それを見てもキャーと言わない」

と言うのです。

でも私達3人は、

「そんなことはない。私達は夜中にゴキブリと出会ったら、必ずキャーと言うのだから」

と、ぶちぶち文句を言っておりました。

自然いっぱいの吹田キャンパス


とにかく、吹田キャンパスに通いはじめて3ヶ月。

私が今まで出会ったものは、ミミズと毛虫とゲジゲジなのです。

おまけに私は人科ですから、サルと、サルの死体のホルマリンづけと、かえると共に、同居しております。

もっとも、私は教育心理学の講座に入ったため、サルやかえるなどに触れることはありませんが……。

それにしても、吹田キャンパスは自然がいっぱい。

春には、タケノコ掘りのため、授業を休講にする先生もいるとか……。

ミミズ、毛虫、ゲジゲジに興味のある方、及びタケノコ掘りをしたい方は、吹田キャンパスへどうぞ……。

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