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独断と偏見で選ぶ「十人の仲間たち」|飛鷹 翔

yasunoritanaka
5月1日
読了時間: 7分

原題:十人の仲間たち

昭和52年に阪大へ入学し、テニス同好会の仲間となった同期たち。その中から、練習や合宿によく参加する10人を、著者が「独断と偏見に満ちた実力順」で紹介します。テニスの得意技や弱点はもちろん、授業、麻雀、TVゲーム、コンパ、そして女性関係まで容赦なし。ただし実名は本人のために秘密――。仲間だからこそ書けた、遠慮のない人物評から、昭和54年当時の同好会の日常が浮かび上がります。

独断と偏見で選んだ十人

クレーコートに集まった昭和52年度入学の大阪大学テニス同好会の十人の男子学生

昭和52年に阪大へ入学し、そしてこのテニス同好会の一員となり、現在に至る10人を紹介しよう。

52年度生全員を紹介したいのだが、スペースの問題もあるので、練習そして合宿によく参加する10人を選んだわけである。

順序は、著者の独断と偏見に満ちた実力順である。

なお、実名は本人のためにふせる。

① T・Y――使用ラケット「ウイルソン クリス・エバート」

テニス

やはり何と言っても、この中ではワンである。

どのショットも超一流で、腕の太さに比例して、すべてパワフルそのものである。スマッシュを好み、何でもかんでも力で打ち込んでくる。

欠点はほとんど見つからないが、ファーストもセカンドもほとんどペースの変わらないサービスはよくダブる。

また、対外試合で、前日に起こった精神的ショックでもろく崩れ落ちることがある。

私生活

予習、復習の○○として有名。

しかし、それとは裏腹に、白昼堂々と石橋の映画館に行くという噂もある。

女性に関しては、毎年合宿ごとに新たな女子に目をつける。実行力大。しかし口だけという話も……。

② K・I――使用ラケット「ヨネックス アルミフレーム」

テニス

ワンのT・Yと組むダブルスは同好会最強。

このK・Iのシングルスの実力も、ほとんどT・Yに引けを取らず、その多彩なショットは数限りない。

中でもフォアのトップスピンはすばらしく、頭上高いボールをウォッチして見逃しても、軽くバックラインの内側に落ちる。

また、一見無気力に見えるプレーで、相手を自分のペースに引きずり込む。

欠点はまったく見つからない。

私生活

授業は週一時間という優雅な生活を送り、夜はインベーダーハウスでバイトしている。そのため、TVゲームにはめっぽう強い。

性格に不明なところが多く、女性に関しては、毎年ミックスダブルスに必ず新人パートナーと現れる。

③ S・A――使用ラケット「ウイニング・ショット」

テニス

前出の二人に比べて、パワーの点でやや引けを取る。

自称ドライブのフォアも一級であるが、その華麗なバックハンドのスライスのため見劣りがする。

これも自称フラットと呼ぶサービスも、ファースト、セカンドともほとんど変化がないが安定している。

欠点は、ツボり出したら止まらないため、「ドツボのしんちゃん」と呼ばれたこともある。

また、サービスがほとんどフットフォールトであるため、大きな公式試合には通用しない。

私生活

コンパでは、ジョリーの唄と野球拳の司会を売り物にして活躍する。

TVゲームでは10人のうちワンで、なんでも超人的にこなす。ただしK・Iと違うのは、機械のパターンをあらゆる角度から解明する研究熱心さである。

女性に関しては、浮いた噂が皆無で、将来が危ぶまれていたが、この秋のミックスでは、アクシデントで出場こそできなかったが、その事前活動はすばらしかった。

④ M・K――使用ラケット「オールマン」

テニス

前出の③ S・Aのダブルスのペア。

このダブルスは、T・YとK・Iのペアに次ぐ同好会№2。

どのショットも安定しているが、特にフォアのドライブは素晴らしく、そのパッシング・ショットは脅威である。

欠点はほとんどないが、上の3人に比べて、ややスマッシュが引けを取る。

私生活

現役時代には神大の医学部を受けたという秀才(今の彼からは想像もできないが)。

麻雀、アレンジボールの腕は、それぞれ右に出る者がいない。

10人中最も二枚目であるため、コンパ後の始末に四苦八苦。しかし、まんざらでもないようである。

実行力は「けん制死」という言葉でわかるようにあまりないが、最近、「けん制死」から抜けつつあった。

しかし……。

⑤ T・A――使用ラケット「クリス・エバート」

テニス

上の4人にやや引けを取る。

しかし、当たっている時はこわく、信じられないショットが続く。

精神的にもろいところもあり、対外試合のシングルスはやや弱い。

ミスしたときのおどけて走り回る姿には愛嬌がある。

麻雀やインベーダーゲームなど練習後の時間を楽しむ昭和のテニス同好会の仲間たち

私生活

一見、松田優作風の容姿。長い足は10人の中で群を抜いてかっこよい。

麻雀、パチンコ、TVゲームは、熱くなると止まらない。

女性に関しては、やはり熱くなりやすいが、すぐにさめてしまう。

毎年、追コンでは、ふられた話をしてくれる。

⑥ T・K――使用ラケット「オールマン」

テニス

T・A同様、調子の良い時のショットは素晴らしい。

シングルスもなかなか強いが、やはりダブルスプレーヤーで、声で相手を萎縮させる。

しかし、調子が悪いと、ペアのことを考えずにダブりまくったり、イージーミスをおかす。

(私も同感。現OB・元ペア N・O)

私生活

二年から入会したのだが、その特有の群を抜いたずうずうしさで、同好会の中に溶け込んでいる。

また、無責任な発言のため、今まで10人のうち何人かが終わらされている。

女性に関しては、実行力大で人気もあるのだが、ヒネたマスクと歩き方のため、もう一つもてず、ツアー後は暇な週末を過ごしている。

しかし……。

⑦ S・T――使用ラケット「ヘッド・コンペⅠ」

テニス

特に不安要素はないのであるが、すべてにおいてもう一つ鋭さがない。

その今にも地面をするようなサービスは、一年の頃から定評がある。

また、ニューカレのダブルスでは、チャンスボールをスマッシュした時に、ラケットのY字部分にボールをはさんだという逸話もある。

その時、ペアのT・Aは、もちろん例のごとく飛び回っていたという。

私生活

10人の中では、あまり練習に参加する方ではなく、同好会の女の子と遊ぶのを敬遠する向きがあるという噂もある。

この夏(54年)は、ツアーにはしっかり参加したのだが、合宿にはケガ?のため、残念ながら参加できなかった。

⑧ K・S――使用ラケット「ヘッド・マスター」

テニス

どのショットもまあまあ安定しているのだが、もう一つ決め手がない。

練習熱心であり、合宿では、気違いの「Y」とともに、鬼の「S」として名を売った。

私生活

元会計で、金銭の面ではきっちりしている。

酒が入ると、ビールびんを持って飛び回る。このため、特にコンパでは女性に人気がある。

女性に関しては、いわゆるむっつりスケベタイプである。

別に浮いた噂はない。

⑨ T・Y――使用ラケット「オールマン」

テニス

彼はフレッシュであるが、なかなか見どころがある。

軟式出身者独特のハエタタキボレーは、ウイニングショットになり得る。

3つも年の離れたI・Oと組むダブルスは、調子の良い時は善戦するが、悪い時はめっぽう弱い。

また、短いボールを大の苦手とし、同好会のカメ足No.1である。

(No.2 T・K、No.3 吉川)

私生活

さすが人生経験が豊富なため、人間ができている。

その人柄は、下級生から上級生まで幅広く人気を集めている。

女性に関しては、子供がいてもおかしくない容貌のため、浮いた噂はないが、過去はわからない。

⑩ I・O――使用ラケット「ウイニング・ショット」

テニス

入会当時は、神和住純に似ているという噂もあったが、実力がわかるとともに、その噂も消え去った。

⑨ T・Yのダブルスのペア。つまり老若ペアの「若」の方である。

彼もフレッシュであるが、それしか打てないフォアハンドのドライブは素晴らしい。

しかし、バックハンドが弱いため、バックサイドをねらわれると弱い。

また、精神的にも弱いので、ツボり出すとどうにもならない。

私生活

童顔のため、年相応に見られることはまずない。

女性に関しては、酒に弱いというか、バカ正直というか、そのため「ビール」に苦い思い出がある。

実行力はもちろんあまりないが、あの「スーパーカップテニス事件」は、同好会に新たな波紋をもたらした。

また、電話ではよく信じられないことを口走る。

見かけよりも、実際はしゃべりである。

そして、著者もこの十人の中にいる

これで10人すべて紹介し終わったが、文中には仲間うちの陰語が多く使われているが、それを勝手に解釈していただきたい。

話の内容は昭和54年11月現在のもので、それ以降のことは含まない。

列記した10名の、裏を明かすようなことばかりであるが、大げさなところは多少あるかも……。

イヤ、まったくない。

著者自身、名をふせたのは、内容に責任が持てないからではなく、著者自身が10人中の一人であるためで、自身についてもまったく客観的に記すためである。

事実、そうした。

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