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今だから話そう、同好会の裏表|座談会 PARTⅡ

yasunoritanaka
5月16日
読了時間: 9分

原題:座談会 同好会テニスを斬る PARTⅡ

昭和52年11月4日午後10時、和歌山県日置川町・国民宿舎「ふるさと」の一室。合宿の夜、同好会員たちが集まり、「今だから話そう 同好会の裏表」をテーマに座談会が始まりました。同好会リーグへの参加、コート取り、幹部の役割、そして一年生から見た同好会まで、笑いを交えながら本音で語り合います。議論はまじめに始まっても、すぐに脱線して大爆笑。その自由な雰囲気こそが、当時の大阪大学テニス同好会らしさでした。

座談会概要

国民宿舎で座談会を始める大阪大学テニス同好会員たち

日時 昭和52年11月4日 午後10時

場所 和歌山県日置川町 国民宿舎「ふるさと」

テーマ「今だから話そう 同好会の裏表」

出席者紹介

藤本 克己

本人は華麗なテニスを目指しているらしいが、フットフォールトサービス、ケンケンストローク等、個性的なテニスをする。

川崎 功

ストローク・サーブ・ボレー等、しいて欠点はなく、よくいえばオールラウンドプレーヤー(言いすぎ?)だが、悪くいえばすべて弱点である。

友竹 滋

強打の友竹として一部では恐れられているが、WATCHすればほとんどアウトだという声の方が強い。

藤井 一裕

フォアのストロークとボレーには定評があるが、それだけという声もちらほら……。

森嶋 悟

ラケットを替えてからサービスが好調である。しかしラケットをよく買い替えるので、黒い霧のうわさもあった。

竹原 豊浩

泥くさい粘っこいテニスが特徴である。そのせいか、合宿ではいつも雨である。

安福 哲男

丸太棒のような太い腕から繰り出す力強いショットもさることながら、クジラ・クモ等、多彩な芸の持ち主でもある。

石川 和男

ヤクザのような顔からもれる微笑みや、ちょっとした動作になぜか人気がある。問題は個人受けするかであるが……。

以下略

場面1 同好会リーグに入るべきか


102号室に熊本氏と吉田氏を除く14名が勢ぞろいし、この記念すべき座談会の始まりを今か今かと待ち受けている。

まず司会役の藤井氏が、緊張した面持ちで口を開く。

藤井「本日はお忙しい中をようこそ。」

石川「おいでませ日置川へ。」

意外な石川氏のギャグに、一同爆笑。

藤井「ではまず、さしせまって当初の問題として、同好会の弱体化およびその原因について、みなさんの率直な意見をお願いします。」

安福「何故、同好会リーグに入らないんですか?」

石川「おまえ、熱あるのか。」

一同爆笑。

竹原「まず問題としては、レギュラーとそれ以外の者ができるということで、団体では同好会リーグには入らんほうがええんとちゃうかな。

そやけど、個人戦には全員参加できるから、とりあえず個人戦だけ同好会リーグにはいったらええのんとちゃうかな、と俺は思うんやけど。」

安福「今まで、なんで入らんかったんですか?」

石川「どうも、こいつおかしい。」

森嶋「ここ数年、毎年幹部の引継ぎの時にそのことについて話があるんやけど、やはり幹部の立場になると正直いってめんどうくさいんと違うかな。

どうしても年を取ると保守的になるからな……。」

友竹「みんなデートで忙しいんや。」

藤井「ぼくは勉強で……。」

河瀬「まずい。」

一同爆笑。

河瀬「いったい同好会リーグって何ですか。」

石川「おまえも熱あるんと違うか。」

ここで竹原氏が同好会リーグについて延々と説明する。

河瀬氏以外、一同納得。

場面2 遅れてやってきた二人


この時、熊本氏と吉田氏が遅れて登場。

熊本氏は、冬眠から目覚めた熊のような顔をして……。

熊本「何ですか?」

全員「今、同好会を斬ってまんねん。」

吉田(うれしそうに)「戸を開けて寝とったら、廊下をかわいい女の子が通っていった。」

富田「おまえ、女のことしか考えてないのか?」

吉田「何のために同好会に入ってんねん。女のことよりほかにないやん。」

あとからやってきた吉田氏は、自分の発言がことごとく記録されていることを知らない。

そのため、つい本音を吐いてしまった。

しかし、他の連中は後々のことを考えて誰も同意せず、吉田氏は呆然自失。

ここで何を思ったか、司会役の藤井氏が突然、例の顔で話し始める。

藤井「ゼミの先輩でワコールへ行ってる人から聞いたんやけど、夏なんか女の子の後ろ姿を見ただけで、どこの製品のブラジャーかわかるんやて。」

全員「ホー。」

川崎「僕とこのゼミの先輩で、今年銀行に内定した人がおるんやけど、麻雀でもう初任給とボーナスの分、とんでしもたんやて。」

全員「へーッ。」

森嶋「神戸大の友達から聞いたんやけど、今年会社訪問で、ノックして中から『どうぞ』と言われた時、ドアを開けるのを忘れて入ろうとして頭をぶつけたやつとか、部屋に入った時『かけなさい』と言われて、いすに座らんと部屋の中でランニングしたやつがおったんやて。」

全員「ハアッ。」

しばらくの間、「人から聞いた話」の応酬が続き、部屋は笑いに包まれる。

しかし、座談会は再び本来のテーマへ戻る。

場面3 コート取りへの苦言


最近、コート取りへの出席率がまた悪くなっているという話題になり、空気が少し引き締まる。

藤井「今、非常に問題があるコート取りについて、意見を述べて下さい。」

熊本(一年生に向かって)「おまえら、来い!」

一年生「ゲゲ……。キャイキャイ……。」

特にコート取りに一度しか来たことのない荒木氏が、血祭りにあげられる。

藤井「僕ら一年の時によく徹夜したな。」

森嶋「一回、万博へ一番乗りしたことがあったな。」

友竹「そやそや。阪急の始発に乗って。たしかコートに着いた時、まだ星が出てたな。」

藤井「あんまり寒いから、篠田は酒を買うし、ランニングはするし。」

森嶋(皮肉たっぷりに)「徹夜しにいって、誰かが寝すごしたこともあったなあ。」

藤本「あれは友竹が寝ぼけて、八時と四時を見間違うからやん。」

夜明け前のコート取りに並ぶ学生たち

森嶋(またまた皮肉たっぷりに)「コート取りに、いつも遅刻するやつがおったなあ。」

藤本「もうコート取りの話はやめよう。」

思い出話は尽きないものの、最後は当事者の一言で強制終了。

このあたりも、いかにも同好会らしい空気である。

場面4 月明かりの海を眺めながら


座談会も少し疲れてきたので、一同は月あかりに照らされた夜の海を眺めながら話を続ける。

森嶋「日置川はええなあ。ここで合宿をせなあかんな。」

藤本「ロマンチックなとこやからな。」

友竹「藤本は危ない。特に夜の外出は前科があるだけに……。」

藤本「マズイッ!」

川崎「ちょっと待ってな。目ん玉はずしてくるさかい……。」

川崎氏、コンタクトレンズをはずしに席を立つ。

数分後、川崎氏が戻ってきたところで、話題は前年の合宿へ移る。

藤井「ではまず、藤本から去年の思い出について。」

藤本「まず雨が降らなかった。それにつきるでしょう。」

三年生一同「正解!」

藤本「今年の合宿は雨ばっかりで、班対抗の試合のしかたを忘れてしまったよ。

やっぱり去年の幹部と今年の幹部とでは、日頃の気魄が違う。根性が違う。」

森嶋「しかし去年はようやったな。

シングルスも復活したし、雨で流れたけど関学戦も企画したし、貯金もたくさん増えた。」

藤井「森嶋みたいに事務的な仕事専門の幹部を作らなあかんな。」

藤本「確かに、よう頑張ったよ。」

森嶋「いや、友竹もよう頑張ったよ。

幹部の中には友竹みたいに、おこる専門の人が絶対必要や。」

友竹「藤井の班長もりりしかったよ。」

こうして、お互いを褒め合うという、何とも珍しい雰囲気になってくる。

藤本「それに、いつも思ってるんやけど、喜多さんはええキャプテンやったな。

ぼくも竹原からそう思われてるかなあ。」

竹原「藤本さんもええキャプテンやったよ。

いつもニコニコしてたし……。」

藤本「そしたら俺はバカか?」

竹原「そんな意味とちゃいますよ。」

(えらく神妙に)

「そやけど、ぼくらが最低や。」

藤本「いやいや、いくら雨がよく降るとはいえ、竹ちゃんはじめ今年の幹部はりりしいですよ。テニスはうまいし、素直だし、そのうえ顔がいいときている……ウム。」

竹原「顔のことはともかくも、雨のことはあきらめました。

もうこうなったら、晴れるまで合宿に参加し続けます。」

全員「たたりじゃあ!」

結局、話題はまた「雨」。

この年の幹部にとって、「雨男」の汚名は、すっかり定着してしまったようである。

場面5 新入会員から見た同好会


最後の締めくくりとして、今年新しく入会した一年生に、同好会の問題点や印象を語ってもらう。

司会役の藤井氏、田路氏を指さしながら……。

藤井「新しく同好会に入って、自分のイメージと違ったところや気づいた点を、はしから順番に。」

田路「ぼくは上にくらいついてゆくだけですよ。だから……。」

田路氏、言葉につまる。

そこへ熊本氏が助け舟を出す。

熊本「だから、そこまで考えられないんだろう。」

そこに愛のきざしが……。

藤井「河瀬君、どうぞ。」

河瀬「あのー……。」

友竹「おまえ、あまり先輩を麻雀でいじめんように。」

一同納得。

河瀬「みんな先に帰るのが、いけないのではないんでしょうか。」

竹原「この前もミーティングでおこったんやけど、たしかにこのごろ、コート取りには来ないし、ボール拾いはしないし、コート整備もしないという人が増えてるみたい。」

藤井「次、安福と石川。」

安福「まあ、今のままでいいのではないですか。」

石川「僕は高校の時、先輩がほとんどいなかったから、同好会に入って先輩とどのように接してよいかわからなかったんです。

だんだん話しよったら、みんなおもしろいし……。」

全員「こっちが言いたい。」

石川「最初は堅苦しくて、練習でも緊張してましたけど、このごろはやっと楽になりました。」

全員「ホーッ。」

石川「だんだん、あの高校の時のなまぬるい感じになってきていいです。」

友竹「おまえ、練習で声出せよ。」

石川「声を出すことは個人の自由で、僕みたいに内に燃えるものがあればいいんと違いますか。」

全員「おまえ、熱あるんと違うか。」

藤井「次、荒木と尼崎。」

荒木「同好会に入って一番大きなギャップは、言葉です。」

と、変な(?)アクセントで言い始める。

ここで「くも」「あめ」「はし」「すみ」などのアクセントについて議論が飛び交う。

結論として、同好会内は大阪のアクセントに統一すべしという意見が圧倒的であった。

尼崎「テニスするからには上達しなければならないから、自分でどしどし打つだけでなく、周りからの助言がもっと必要だと思います。」

ここで、お互いに助言ならぬ、けなし合いが始まる。

全員「藤本と尼崎は、右足が完全にフットフォールトや。」

藤本「勝ったらいい……。」

(と言葉を濁す。)

藤井「個人だけでなく、同好会の恥や。」

藤本「マズイッ!」

河瀬「熊本さん。サーブするとき、なんでうしろ向きはるんですか。」

石川「ものすごい顔してますよ。」

熊本「あれは重心の移動がうまいことできるから、いいんじゃ。」

その後も、

「ケンケンストローク」

「倒れ込み地面すりサービス」

などの話題で大混乱。

こうして今回の座談会は、最後まで笑いの絶えないまま幕を閉じた。


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