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自分に正直に生きたい|早川たか子
原題:このごろ考えること、現在望むこと 「自分の気持ちに正直に生きたい。」そんな率直な思いから始まるこの一篇は、昭和の女子学生が自らの生き方について静かに綴った随想です。他人の価値観に流されず、人それぞれの自由や人格を尊重したいという考えは、時代を越えて今も新鮮に響きます。そして最後には、「西部劇が観たい」「ケーキが食べたい」という何気ない願いが添えられ、思索の中にも学生らしい素顔がのぞきます。 自分の気持ちに正直でありたい 私はいつも、自分の気持ちに正直に生きたいと思う。 他人の思惑は気にしないで生きたいし、世間的な常識の中だけで生きたいとも思わない。 もっとも、こういうことを言うこと自体が、多少なりとも世間的な常識を意識している証拠なのかもしれないけれど。 その時々の自分の気持ちを偽ってしまえば、必ずあとに後悔が残る。 それが恐ろしい。 その結果、いつも回り道をすることになっても、それは仕方がないと思っている。 違いを認め合える社会であってほしい これは人との関係についても同じことである。 自分と考え方が違うからといって、その人を頭から否定し
yasunoritanaka
7月3日読了時間: 2分


心のモヤモヤと、同好会への思い|西井 隆儀
原題:無題 一人の人物を「冬の部屋に吹き込む冷たい風」にたとえた印象的な書き出しから始まる随筆です。そして話題は、自らの心の内側へと移っていきます。同好会に感じていた魅力の変化、テニスへの技術的不安、仲間との距離、そして自分自身への迷い。学生時代ならではの揺れる心情を率直に綴りながら、最後は古い言葉を引用して静かに締めくくります。若者らしい悩みと誠実さが、そのまま伝わってくる一編です。 冬の部屋に吹く風のように あなたは新鮮でした。一涼の風でした。 でもそれは、春の野の緑に満ちた風ではなかったのです。 冬、窓や戸を閉め切って、ストーブをつけて勉強していて、その暑さに頭が朦朧としてきた時、窓を開け放つ。 外の冷たい風が自分の頰をなで、頭の中をはっきりさせてくれる。 あなたは、いってみればそんな風だったようです。 公害に汚された空気かもしれないけれど、一服の清涼剤だったのです。 だから部屋の中が冷えてしまえば、あなたの存在価値はなくなってしまう。 だけど、いずれまた空気が淀んできて、あなたが必要になるに違いない。 その繰り返しだと思う。 同好会の魅力
yasunoritanaka
6月25日読了時間: 2分


八年間つき合った僕の恋人|小寺 弘章
原題:僕の恋人――ある二十才の青年の衝撃の告白 中学一年で出会い、八年間つき合ってきた「恋人」。高校時代には、ほとんど毎日のようにデートを重ね、自己のすべてを捧げたという。しかし、長い年月の中で二人の間には次第に冷たい風が吹き始める。そして明かされる、恋人の意外な正体とは――。軽妙な恋愛告白から始まり、やがてテニスへの情熱、同好会という組織のあり方、人が目標を持つ意味へと考察を深めていく、ユーモアと真摯さに満ちた長編随筆です。 八年間つき合ってきた恋人 まず初めに、以下に述べることはすべて現実に起こったことであり、フィクションの要素は全くなく、赤裸々なまでの恋愛の告白である。 僕がその恋人と出会ったのは、そろそろ自我に目ざめ始めた中学一年生の時。それ以来、長いもので八年間のつき合いになる。 中学生の頃は、恋人だと自分自身考えたことなどなくて、このことを意識しだしたのは高校になってからである。 今から思えば、高校一、二年の時が、二人の関係において最も実り多き、充実感にあふれた幸せな時期であったように思う。 事実その当時は、テスト期間中か少しの休みを
yasunoritanaka
6月23日読了時間: 10分


あの夜の憂うつを書き留めたかった|於勢 好央
原題:「横寝考」 誕生日の夜、突然押し寄せてきた憂うつな気持ち。その時に書き留めておけばよかった──そう振り返りながら、自らの性格や劣等感、大学生活への迷いを静かに見つめ直した随筆です。勉強への自信のなさ、周囲との比較、友人関係の変化、そして「自分を動かすきっかけ」を探し続ける思い。華やかな学生生活とは対照的な、等身大の心の揺れが率直に綴られています。 書き留めておくべきだった 私は書き留めておくチャンスを失ってしまったのです。 あの時、書き留めておけば、こんなに後悔しなくてよかったはずなのです。 何故あの晩、あんなことを考えるようになってしまったのかは、まったくわかりません。 日頃うすうす思っていたことなのですけれど、あんなに強く私に迫ってきたことはなかったのです。 あれは今年の二月十一日で、非常にめでたい日だったのに。 (何故かって? 私の生誕日。) また、その前の十日は兄の結婚式だったのに。 何故あんなめでたい日に、あのような憂うつを味わったのか。 大学に入ってから感じ続けたこと この憂うつというのは、大学に入ってからずっと私のまわりにまと
yasunoritanaka
6月19日読了時間: 5分


心に広がる小さな波紋|辻本 昌容
原題:我が愛の詩集「心の泉」より 好きという気持ち、幸福な瞬間、会えない時間、夜空を見上げる想い――。学生時代だからこそ素直に綴ることのできた恋心が、短い言葉の中に込められています。一篇ごとは小さな詩ですが、読み進めるうちに、一人の青年の恋の移ろいが見えてきます。最後には、筆者が「大好きなミヨちゃん」の作品として紹介する可愛らしい詩も添えられた、青春の詩集です。 一 心の泉 君の投げた小さな石で ぼくの心の泉にできた 小さな波紋は どんどん大きくなって 泉いっぱいに広がったよ 二 いたずら好きの君 好きなんだ とっても。 でも、だめなんだ、ぼく。 君の心がわからない。 ぼくがこんなに想っているのに…… いたずら好きの君。 三 幸福 悲しい日なんて 世の中から 消えてしまえ。 ぼくは今、 幸福だ。 四 心は君のもの 今、ぼくは 君のことを考えています。 きっと君も ぼくのことを 考えてるだろうね。 だって ぼくの心は 君のものだし、 君の心は ぼくのものさ。 五 夜空の星 あの星は 君も見てるよね。 あのキラキラ輝くのが ぼくの星。 その横で かわ
yasunoritanaka
6月18日読了時間: 2分


会誌創刊と同好会、そしてボク|藤野 茂雄
原題:創刊号と同好会とボクの話 待ちに待った『Try Again』創刊号。その誕生を喜びながらも、同好会という組織のあり方について率直な思いを綴った一篇です。「テニスでつながっている」という楽しさと、「テニスでしかつながっていない」という少しの寂しさ。その一方で、オフシーズンも「テニスの鬼」を自称して(?)日々鍛錬に励む自分をユーモラスに描きます。真面目さと軽妙な語り口が同居する、創刊号にふさわしい随筆です。 会誌ができるという喜び 以前から時々話に出ていた会誌が、いよいよ出ることになると聞き、どんなものになるのかと楽しみにしています。 この創刊号発行についても、また創刊号が「葬刊号」とならぬためにも、多大の努力が必要でしょうが、無責任ながら、できるだけ長く続いて欲しいものだと思います。 それにしても、会誌が出るなんて、同好会って大きな組織なんですね。 懐古派と称する会内の革命的反動分子(?)に言わせると、 「昔はこんなもの出さんでもコミュニケーション充分やった。」 と、さぞ嘆かれることでしょうね。 テニスでつながる仲間 確かに、いろんな友人が大
yasunoritanaka
6月16日読了時間: 2分


テニスがつないだ、人との出会い|浅田 清司
原題:テニスと恋と人生と テニスの楽しさから始まり、恋愛、そして人生へ――。同好会での出会いや大学での何気ない会話を通して、人と向き合うことの意味を綴ったエッセイです。恋愛について語り合う学生たちの率直な言葉や、一人の女子学生との対話から感じた人生への思いが、当時の大学生らしい感性で描かれています。テニスをきっかけに広がった人とのつながりが、人生を見つめ直す時間へとつながっていく一編です。 テニスが教えてくれたもの テニスを通じて私の得たものは大きい。 時々いやになることもあるが、二、三日ラケットを持っていないと、たまらなくやりたくなる。 同好会にはいろんな人がいておもしろい。 とくに先輩方のパーソナリティには、クラスにはない味わいを持つものが多い。 皆さん、テニスへ来る時はテニスを楽しむことに、また同好会を楽しいものにすることに努めているのだと思う。 恋愛について語り合う 恋愛について、あまり人のためになることは書けそうもないが、先日、クラスの女の子たちと話す機会があったので、その意見を書いてみます。 「恋愛というのは一度はしてみたいけど、私は
yasunoritanaka
6月4日読了時間: 3分


茶の湯が教えてくれた、美しさと人の温かさ|吉田 豊子
原題:私と「お茶」 初めて体験した茶事での緊張、懐石料理への感動、正座でしびれた足――。茶道の世界を、学生らしい率直な視点とユーモアで綴ったエッセイです。そして最後に語られるのは、茶道そのもの以上に魅力的だった先生への思い。合理性と美しさを兼ね備えた「お茶」の世界と、人の温かさに触れた学生時代のひとときが、生き生きと描かれています。 初めての茶事へ 1974年11月10日、午前6時10分起床。 眠い目をこすりながら家を出たのが6時半。 めざすは、お茶の先生のお宅です。 そうです。 今日は、生まれて初めてのお茶事のおけいこなのです。 まず「待ち合い」で、お客様がそろうのを待ちながら、お白湯をいただきます。 七時になると一度外へ出て、庭の腰掛けに座り、亭主のあいさつを待ちます。 その後、つくばいで手と口を清め、いよいよ茶室へ。 ところが、これが大変。 にじり口は約65センチ四方しかありません。 この日も亭主さんが頭を「ゴツン」。 先生がお茶室が壊れないか心配なさったほど、大きな音がしたのでした。 茶室でいただく懐石料理 無事に茶室へ入ると、まず床の間
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5月29日読了時間: 4分


テニスと歩んだ九年間、そして同好会で見つけた楽しさ|幸田啓子
原題: エトセトラ 就職試験を終えた直後に始まった阪大病院での実習。慌ただしい毎日の中で綴られたこの文章には、中学・高校時代の厳しいテニス生活、そして大阪大学テニス同好会で過ごした自由で楽しい三年間の思い出が、率直な言葉で語られています。勝利に涙した真剣勝負の記憶と、仲間と笑い合った芸能生活。テニスに青春を捧げてきた筆者だからこそ感じた「競技としてのテニス」と「仲間と楽しむテニス」の違いが、飾らない文章から温かく伝わってきます。 実習に追われる毎日 十一月一日に就職試験を終え、ホッとひと息つく暇もなく阪大病院で実習が始まりました。 なにしろ石橋までしか通ったことのない子で、その上、車ばかりに乗っていて足も退化してきているので、毎朝阪大病院へたどり着くだけで精一杯です。 病院では、「梅毒は感染しないか」「血清肝炎は大丈夫か」と恐ろしげな話もあり、一日一日のレポートはたまる一方。そんな毎日の中でこの原稿を頼まれ、じっくり考えて書く暇もないので、思いつくまま気の向くままにペンを走らせています。 だからテーマは「エトセトラ」……。 中学時代――軟式テニス
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5月26日読了時間: 5分


テニスが導いた不思議な縁|安福哲男
原題: 偶然のみの人生 「なぜテニスを始めたのか」と振り返ると、その答えは「偶然」だった――。中学時代の英語の先生との出会い、高校テニス部への入部、そして大学で大阪大学テニス同好会に入ったことまで、人生の節目には思いがけない偶然が積み重なっていました。軽妙なユーモアを交えながら、「偶然」と「必然」について考察した、学生らしい瑞々しいエッセイです。 テニスとの出会いは、すべて偶然だった なぜ同好会に入ったのか。どうしてクラブに入らなかったのか。 それは、ひとえに気まぐれのせいである。 偶然に同好会の存在を知らされたからである。 もし同好会がなければ、今ごろどうしていたことか。 同好会に入ったのは、全くの偶然なのである。 英語の先生がテニス部をつくった テニスを始めたのは、今から七年前、中学一年生のとき。 その年に転任してこられたH先生がテニス部をつくられた。 そのH先生が、たまたま英語の先生だったから、テニスをやるはめになってしまった。 中学一年生といえば、英語を習う最初の年である。 誰もが英語に不安を抱いていたし、もちろん僕も例外ではなかった。.
yasunoritanaka
5月25日読了時間: 4分


電車の中で見つける、ささやかな真実|土井寛子
原題: 電車の中で 阪急電車で大学へ通う日々。混雑のない昼前の車内で広告を眺め、向かいに座る人の暮らしを想像し、ふと目を引く人の雰囲気に「ささやかな真実」を感じる――。通学時間を、単なる移動ではなく、人や風景を静かに観察するひとときとして描いた随想です。文章を実名で発表することへの戸惑いから始まり、電車の中で過ごす一見無意味な時間の楽しさへと、筆者の思いが軽やかに広がっていきます。 実名で文章を書くということ 何故か、『TRY AGAIN』の原稿を書くはめになってしまった。 だいたい文章なんてものは、まず、その文章の題の下に書いてある、書いた人の名前を見たときに、読み手の中に、ある程度、その文章に対する潜在意識みたいなものができるものである。 つまり、著者が身近な人、あるいは有名な人の場合、その人に対して日頃からあるイメージを持っているものだから、文章を読むときも、そのイメージと照らしながら読むものである。 故に、全く同じ文章でも、著者の名前が違えば、違うイメージを持ちながら、その文章は読まれるのではないかと思う。 そんなわけもあって、私としては
yasunoritanaka
5月19日読了時間: 4分


テニスのあい間に見つけた十のこと|井上美紀子
原題:題が決まらないと言ってつけた題 同好会に入って、もうすぐ一年。テニスコートから眺めた夕陽、頭上をかすめるような飛行機、早朝の竹やぶ、真っ赤な富士山、そして不思議な「魔球」――。テニスのあい間に目にした何気ない風景や、大学生活の中で気づいた小さな出来事を、「その一」から「その十」まで。井上美紀子さんの素直な驚きとユーモアが詰まった、昭和の学生生活が目に浮かぶような一篇です。 その一 万博コートの夕陽 同好会に入ってもう一年になろうとしますが、今日はその間、テニスのあい間に発見したこと、思ったことなど、少し書いてみたいと思います。 万博コートにて。夕陽の沈む速さについて。 それはもう、びっくりするほどの速さでした。23番コートに立って西の方を見ていたら、みるみるうちに沈んでいきました。 あれをビデオに撮って早送りにすると、きっと線香花火の最後の一粒が落ちていくみたいに見えるでしょう。 その二 庄内コートの飛行機 庄内のコートで。 同好会に入ったら当たり前のことだけど、飛行機の大きさについて。 空港で見るようなジャンボでもないし、飛行機雲を引っ張
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5月10日読了時間: 5分


知性あふれる勉強少年、マネージャーになる|池山達真
原題:マネージャーになって 「マネージャーになって、パープリンになりました」――そんな一文から始まる池山達真さんの自己紹介は、なぜか自分がいかに真面目で、勉強熱心で、行儀がよく、心やさしい人間であるかという話へと向かっていきます。毎日の勉強時間は3時間11分から3時間23分、机の落書きは消しゴムで透明になるまで消す。果たしてどこまで本当なのか。昭和の同好会誌らしい、とぼけたユーモアに満ちた一篇です。 マネージャーになって、パープリンになりました マネージャーになって、パープリンになりました。 ちまたでは、前と変わりないと思っている方も多いようです。 しかし、本当はそうではないのです。 そう。 ぼくは、知性あふれる勉強少年なのです。 毎日、3時間11分から3時間23分くらい、机に向かっている日々を送っていました。 良い子のぼくは、寝る時間も早かったのです。 そして朝も早く起きて、授業の31分前に行って、予習に余念がありません。 ぼくの席は、いつもいちばん前でした。 そして、どんなにねむい教授の講義もノートにとっていました。 机はいつも、つるつるに.
yasunoritanaka
4月21日読了時間: 3分
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